2025.11.20
ロンドン・マウントストリート104番地にLONDON GALLERY誕生
FUEGUIA 1833は、植物学的探求と芸術性に捧げるブランドの拡大するネットワークにおける新たな一章として、 2025年11月4日、ロンドン・マウントストリート104番地に新たなギャラリーをオープンすることを発表しました。
このギャラリーは、世界で14番目の拠点となります。
今後はメキシコ、中国、カリフォルニアでも新ギャラリーオープンを予定しており、主要な文化・クリエイティブ市場における存在感をさらに強化していきます。
ロンドンが長年培ってきた美術、ヴィンテージ収集、オークション文化。その長い伝統に根ざしたマウントストリートのギャラリーは、職人技と永続的な価値への敬意を体現しています。これらは、FUEGUIAの理念の中核を成す要素でもあります。
創業者ジュリアン・ベデルは次のように語ります。
「ロンドンは世界屈指の審美眼をもつ都市です。私たちはマウントストリートを、単なるギャラリーではなく、コレクターが集い、新しい発見を得られる場所として構想しました。それは、長く愛される作品を称えるこの街の伝統の一部となることを意味します。」
本ギャラリーは、時を超えて熟成し続けるヴィンテージ・パフューム〈Vintage Cave Collection(ヴィンテージ・カーヴ・コレクション)〉に特化した、世界初のギャラリーです。
その中には、10年以上の熟成を経た作品も含まれており、時の移ろいの中で、ひとつひとつの作品がそれぞれ異なる表情を見せる、豊かなアーカイブを有しています。
〈Fueguia Vintage Cave London〉では、香りにおける「時の変化の力」を探求する体験をお届けします。ここでは〈Vintage Edition(ヴィンテージ・エディション)〉と〈Aged Essence(エイジド・エッセンス)〉という特別な表現をご案内しています。〈Vintage Edition〉は、5年以上の熟成を経て、香りの調和や奥行きを深めたパフューム。〈Aged Essence〉は、アルコールを一切含まない“純粋なエッセンス”を、長期熟成させたもので、現在はロンドンギャラリーのみで展示されています。FUEGUIAでは、完成された「モノ」ではなく、生命のように進化し続ける存在として捉えています。植物由来の原材料は、自然のままにゆっくりと姿を変えながら時の経過とともに熟成し、香りの印象やバランスを変化させ、その個性をより深く育んでいきます。
ヴィンテージ・パフュームとの出会いは、自然の静かな営みによって形づくられた「生きた変化の記録」を目の当たりにすることなのです。
この希少なコレクションに加え、ギャラリーでは2026年に正式発表を予定している特別なプロジェクト〈Stradivari(ストラディバリ)〉も紹介されます。
イタリア・クレモナのヴァイオリン博物館「Museo del Violino(ムゼオ・デル・ヴィオリーノ)」とのコラボレーションにより誕生した本作は、フエギア独自の研究手法により、ストラディバリが製作した数世紀前のヴァイオリン2本から放たれる揮発性分子を、ヘッドスペース分析を用いることで、楽器に触れることなく採取することに成功しました。
文化遺産として高い価値を有するこれらの楽器に、この技術が用いられるのは世界で初めての事例です。
この技術により、科学はストラディバリの楽器がまとってきた分子環境を”聞く”ことを可能にし、音楽・歴史・香りが交わる新たな感覚の次元を切り拓きました。
〈Stradivari〉は、科学的探究と芸術的感性の両面から、ストラディバリという天才の本質を再解釈した作品です。
価格は3万ユーロ(約510万円)、100本のみの展開となるこの限定エディションは、フエギアが掲げる「香りを知の媒介とする」という理念を象徴し、文化遺産を多感覚的に捉える新たな体験を創出しています。
ジュリアン・ベデルが構想からデザインまで手掛けたこのギャラリーは、2フロアにわたる空間全体が、ひとつのアートのように構築されています。サルデーニャの土壁、ウォールナット・チェリー・メープルなどの天然木を用いたオーダー家具、空間を構成するすべての要素は、永続的なクラフトマンシップの価値を映し出しています。
照明はフエギアの職人による手仕事、テキスタイルはヴェネツィアの名門ルベリ社のものを使用しています。
また、ジュリアン・ベデル自身が製作した4本のギターと、カッシーナ社のヘリット・リートフェルトによる名作ユトレヒトチェアなど、ヨーロッパの芸術とデザインへの敬意が随所に配されています。
1階は〈ヴィンテージ・カーヴ・コレクション〉の専用フロア、地下には、各コレクションを探求し、創造を体験するための空間が広がります。プライベートアポイントメント、マスタークラス、コンポジションセッションが行われ、ゲストはコレクションを体験することはもちろん、2~3種の香りをブレンドし、ジュリアン・ベデルへパーソナルブレンドを依頼することもできます。
ゲストの嗜好を反映した一点ものとして仕上げられる、このパーソナルな香りは、刻印を施され、唯一無二の嗅覚的アイデンティティを体現する作品となります。
また、年間を通して、文化や教育にまつわる体験型イベントが開催されます。香りの熟成過程の探求や、原材料を紹介する〈アトラス・デ・イングレディエンツ〉、音楽・アート・サイエンスなど、多様な芸術領域を横断する企画が予定されています。
ロンドン・マウントストリートに誕生した新たなギャラリーを通じて、FUEGUIA 1833は「香りを生きたアーカイブとする」というビジョンをさらに深化させ、香りを通じて私たちの身体や感情に働きかけ、記憶や文化の記憶を受け継ぎながら、新たな創造の可能性を広げていきます。